気楽に?殺ろうよ



藤子・F・不二雄先生の短編集。


いわゆる「大人向け」(エロじゃないっす)。


性欲と食欲が反転してしまったことで人殺しが平然と行われる世界の話など13話。


 「朝ご飯!なんてことを大きな声でいうんですか!」
 「君たち、子供を作るなら先に作った子供を処理してからにしなさい」
 「子づくりは社会のため、食事は個人のため。どちらをおおっぴらにすべきかは一目瞭然」
 てな感じ。


SFという装置をつかっていまの価値観、道徳観を相対化させ
道徳に根拠がない様をじわじわと見せつける筒井康隆的世界。
怖いよこれ。
お化けや大殺界なんかよりぜんぜん怖い。リアルに怖い。
しかも見慣れたドラえもんの絵なのがまた怖い。


SFってなんか空想的、理想的なもんかなと思ってたけど
なかなか面白いもんだと感じるようになってきました。最近。