進化しすぎた脳
- 作者: 池谷裕二,長崎訓子
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2004/10/23
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 43回
- この商品を含むブログ (165件) を見る
脳の研究をしている人が中高生と話す脳と体の不思議。
なぜ進化しすぎた脳?
脳が司令塔となって体の部分が統制されているというよりは
脳の働きは、体(指の本数や位置。生まれ持った体や環境)が決めているという。
(脳の大きさではなく体の複雑さが脳の機能を決めている)
そして脳の能力は人間の体くらいではまだまだ有り余っているらしい。
腕2,3本ふえても大丈夫みたい。
つまり体に比べ脳だけが進化しすぎてるんだと。
そのほかも脳に流れる電気信号(イオン)なんかの機能的な話も
おもしろかったけど
脳の話につきものの認識論みたいな部分がとてもよかった。
色は3原色でできている、とかいっているけれど
それは「真理」なのではなく、ただ単に人間の目がその3原色しか認識出来ないっていう
まさに人間の器官が作り上げた「世界」なんだという。
虫にとっては虫の「世界」があり、魚には魚の・・・。
そういえば子供の時
「僕の目で見ているものと、実体の大きさは1:1なのか?カメラみたいにズームされてるのか??」
と意味のないことをずっと考えてたのを思い出した。
そういう意味でいうと僕の目で見えているもの=1倍、っていう定義なんですな。
自己中心的。
(人間ってやっぱり自己中心だわ、と自分に言い聞かすように納得。)
そしてその認識をする「意識」。
意識して自分でやってる、て思っていたことが実は
脳が勝手にやっていたなんてこと(目の錯覚なんかがその例)を読むと
そもそも意識って何だろうかと考える。
以外といい加減なんだわ。
(人間ってやっぱりいい加減だわ、と自分に言い聞かすように納得。)
当たり前と思っていることも切り込んでいけば様々な
発見=物の見方ができるんだな。
中高生とのやり取りもその辺に重きを置いてる感じ。
「なんでそう思う?ほんとにそう思う?」って。