うぬら


決定版カムイ伝全集 カムイ伝 第一部 全15巻セット

決定版カムイ伝全集 カムイ伝 第一部 全15巻セット


やっと全巻制覇。
でもまだ第一部だけやけど。


非差別者(カムイ)、農民(正助)、侍(竜之進)を軸に徳川封建制のもとの
くらし、差別、商業、自然と人を綿々と綴る。


徳川時代の社会システムってこうなってたのねと勉強になりました。
身分制度と統治システム、差別と支配。


登場人物(一説には300人)も多ければそれぞれに立場、
それぞれに大切なもの、葛藤があり、
それを見事にまとめきってる白土先生は神。


ただの忍者ものと思って読んでない人はいい意味で裏切ってくれます。
おもしろい。

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今では当たり前の人権なんてどこにもない。
今の感覚でこれを読むとほんとうに怒りと脱力の連続。
搾取、差別支配、一揆、拷問等々。。


ただ別の見方をするとあの時代にはそういった人権思想なんてなかった訳で
そんときの農民やら非差別者らは今の僕らと同じ怒りと脱力を感じていたと
するのはちょっと考えものだな、と。


当然不満があり、納得がいかなかったからこそ
当時の人々の尊厳が今の時代を作った訳ですが、

歴史ものや歴史自身を今の感覚で読み解くのは
ちょっとこわいな、と感じた訳です。


もちろんこの物語はそういった感覚を排除しても有り余る
ものがあるのですが。