なにがなんだか著作権法30条第2項
最近話題のipodに私的録音録画補償金制度による補償金課金問題。
根拠となるのは著作権法30条第2項だそうな。
(私的使用のための複製)
第30条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、
個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること
(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、
その使用する者が複製することができる。
<中略>
2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器
(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を
有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として
録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、
当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて
政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に
支払わなければならない。
「私的使用」って断ってるのにそれでも補償金とるんですね。
それも機器にかかるというのもなんか違和感ありあり。
基本的にCDとかDVD買う時点でこういう類いのお金を
対価として渡してるというのが普通の感覚だと思います。
ただ、市場原理に任せては文化が廃る、というのもわからなくはない。
問題はどこからどれだけ補償金をとるのかということでしょうか。
いや果たして補償金という考え方がこのご時世に合ってるのだろうか?
一体どれだけの額が動いてるのかちょっと見てみた。
私的録音補償金受領額(平成18年度)
社団法人私的録音補償金管理協会HPより
13億0331万円
思いのほか少ない。
かたやCDの売り上げ枚数は
CDアルバムの出荷枚数(平成18年度)
文部科学省文化審議会HPより
1億7800万枚
もしCDの価格に上乗せしたら、CD(アルバム)一枚あたり
13億0331万/1億7800万=約7.4円。
えー。こんなに騒いでるのにCD一枚あたりたった7円ですか!
一番受領額の多かった平成12年度でも(40億円)
40億/1億7800万=約23円。
この程度ならCDに上乗せしてもいいんじゃないですかね?
同じCDを買ってipod持ってる人とそうでない人を比べても
著作権者の経済的損失は変わらん(わからん)だろうし
(そもそも聞く回数が増えれば経済的損失が増える、というのもよくわからんが)
それならCD自体に上乗せするのがわかり易く
ほんとに欲しいCDなら3000円が3023円でも問題なく買うと思うのですが。
補償金を定額で決めてしまうより、人気商品の売れ行きに比例するような設定を選びたいのは
人情でしょうが、このあたりが違和感の根元ですかね。
ていうかその23円、営業努力でなんとかならんのでしょうか。
文化の荒廃という前に。