その3 大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」


最近のニュースで自爆テロだの風刺画問題だのと
日本の常識では「なんで」っていう出来事を見るにつけ、
なんとなく「イスラム教」が絡んでいるのでは?と思うことが増えた。
本を読むにも地理とか歴史とかは中学校ぶりなので難しい本はわからない可能性大。
で、かんたんそうなのを読むことに。


大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」 (講談社+α新書)

大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」 (講談社+α新書)


著者はNHK週刊子どもニュースのお父さん役でもあるNHKの記者。
順を追っててわかりやすい。がんばれば1日で読める。


読んでみてあまりにも世界を知らなさすぎた自分にドッキリ。
ユダヤ教イスラム原理主義アフガニスタン問題、冷戦、
タリバンパレスチナ問題、アラファト議長。。


ちょっと聞きかじった言葉が
どんどんつながっていく快感は小説を読んでいるよう。


この本を読む分には、「イスラム教」というのは
今起こっている出来事の要因の一部でしかなく、
原因ではないのだと思った。


むしろ原因はその時々に、それぞれの国が自国のその場限りの利益のために
あるグループを応援したり、弄んだり、切り捨てたりで
人々を方向づけすることの無責任さ、なんじゃないのかなと。
例えばタリバンを応援したパキスタン
第一次世界大戦でアラブにいいかげんな約束をしたイギリスなどなど。


ただ、テロが起こる理由にはもっと局部的な問題があるんだと思う。
その辺はまた掘り下げてみたいっす。


しかしキリストがユダヤ教やったとか、知らんかった。。



以下メモ




■宗教とは
ユダヤ教キリスト教イスラム教は同じ神様で
考え方の違いで分離していった。

ユダヤ教 →「旧約聖書」(神様との旧い約束)を信じる
キリスト教→「旧約聖書」+「新約聖書」(神様との旧い+新しい約束)
イスラム教→「旧約聖書」+「新約聖書」+「コーラン」(コーランが一番重要)


イスラム教とは
・世界の6分の1はイスラム
ムハンマドが神の言葉を聞いて信者がまとめたのが「コーラン
・「神を信じコーランの教えを守れば死後、やがて復活の日を迎えたとき天国へ行ける」宗教
・豚肉だめ。酒もだめ。一日五回の礼拝。断食。妻は4人まで。神の前ではみな平等偶像の禁止等々(原則)。


イスラム教もいろいろ
・厳格なサウジアラビアでは、女性は外で働けない、盗みは右手を切りおとす、
 神を忘れないよう楽しめる美術館、映画館もなし。絶対王政
 他の国では女性が働いたり、宗教と政治が分かれているところもある。
 →国によっていろいろ
・多数派のスンニ派、イランに主に信者のいる少数派のシーア派


イスラム原理主義とは
第二次世界大戦後、独立するアラブ諸国。その後は貧富の差が広がる。
 →イスラムの「平等」の教えに反する。教えの原点に戻す考え方
・実際に武力行使や極端な解釈をするのはごく一部の人たち。
・つまりコーランの解釈の仕方で、自殺や不義を仕掛けることを禁じた「教え」さえ破る人々もいる


アフガニスタン問題
・冷戦中のソ連が隣国アフガニスタンを味方につけるため攻め込む。
・当時ソ連は宗教を認めなかった(マルクス主義)ため、占領されて
 イスラム教を奪われないよう戦う=ジハードという見方をされる
ソ連が逃げ出し、今度はアフガン国内で味方同士での内戦が勃発
・この戦争でパキスタンに逃げ出した難民が極端な原理主義タリバンとして再びアフガンに現れる
・中東各国のイスラム原理主義過激派がアフガンに集まりはじめる。
・ここ含まれていたサウジアラビアから来た、アメリカ軍駐留に反対したビンラディン
 過激派アルカイダ結成。


■中東問題
パレスチナユダヤ人が追い出され、アラブのものとなる。
第一次世界大戦でイギリスがアラブ人とユダヤ人に土地の提供を約束、戦後一応の線引きが確定
・以後、アラブとイスラエルで領土争の中東戦争がはじまる。
パレスチナにもともと住んでいたアラブ人=パレスチナ難民もイスラエルと戦う。
・その中心PLOアラファトから戦闘的集団へ。
 PLOがテロ→イスラエルが報復→アラブ諸国が再び戦争をはじめイスラエルに勝つ
 というストーリー。その後この路線の限界に気づき和平路線へ→命狙われる。
・和平を進めることが指導者の暗殺へつながるという事態へ。
オスロ和平合意後、イスラエルシャロン首相がパレスチナのすべてを取り返す路線へ。
 パレスチナで暗殺を繰り返す。
クリントンほどブッシュは和平に消極的。


アメリカが嫌われる理由
・中東問題:イスラエルアメリカが応援しているため
・聖地メッカのあるサウジアラビア湾岸戦争後、アメリカが駐留