その4 読書力
和田さんの本と一緒に買った「読書本」その2。
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/20
- メディア: 新書
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本、読んだらなんかいいことあるんか?
と、
いいことあるならどういう読み方が効果的なんか?
という疑問に答える本。
読書といってもいろんなスタイル、目的がありますが
この本では「多少精神的緊張を伴う読書」のことを
読書とよんでます。
(質が高くとも気楽、やさしいものは除かれる)
人間は言葉で考え、言葉で伝える生き物であり
「多少精神的緊張を伴う読書」をすることで
・本人の情緒的、思考的な面をきたえる技術
・人のいいたいことをつかむ技術
・人に伝える技術
を身に付ける=読書力を身につける、というのが筆者の意見。
具体的には線を引いて積極的に読書し、主旨を見抜く力をつける。
そのことで他者との会話においても、主旨を見抜き脈絡のある
会話を可能にする、というもの。
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気心の知れた友達なんかであれば「主旨うんぬん」は考えなくても
伝わるし、そんなものさえいらない会話のほうが多いのかもしれない
(基本飲んだくれ。。)けど、会話の原点が「主旨の理解」というのは
納得。
またこういった読書は基礎的な知識、思考を養う上でも絶対必要なものだとも思う。
この本を読むことで自分の中の「本を読む(人と話す)」という行為が
整理された気がします。
読書自体は神秘的なものでもなんでもなく技術なんだと。
そして分厚かったり、難しかったり、
読みにくいと思ってた本も技術と気合で結構読みやすくなった。
読むのが楽しくなってきてます。
全体的にドラゴン桜にでてくる国語の芥山先生と言うてはることに近いなあ。
ていうか元ネタか?
以下メモ
■「単なる娯楽読書」ではなく「多少精神的緊張を伴う読書」が必要
・むかしはよく読んだ。読んでいないと恥ずかしい本があった。
■要約をいえることが読んだということ
この条件をつけることによっていつでも要約できるか自問自答しながら読むようになる
これは「全部に目を通すことが読書」ではないことの確認。
(この読み方は長続きしない=和田さんに同じ)
■読書の必要性
・幅広い見地からの判断
・優れた人間(著者)との対話。言葉のみの対話なのでより緊張が必要
・思考は言葉で行う。日常生活の話し言葉にない、言葉を多く知ることができる
・心にたまった違和感や自分の思考、経験を言語化(明確化)してくれる
・日本には聖書のようなthe book がないので大量の本(books)を読むことで
宗教による倫理教育の代わりを担ってきた
・わからなさを耐え(溜め)、わかる予感を感じる→客観的になること
■読書はスポーツ
・技術と慣れ
・自分の思考に形を与えるためには音楽を楽しむような受身ではなく
積極的にかかわることが必要。
■線を引くことで積極的に関わる。
・主観と客観の判別、主旨と枝葉の判別を行いながら読むためのテクニック
・三色ボールペンの活用
赤→重要、青→まあまあ重要、緑→筋と関係なくとも自分が面白いと感じた所
ボールペンのスイッチで頭の切り替え。そろばんと同じ効果
・読書のギアチェンジ→重要な(主旨)部分はじっくり。枝葉は飛ばしても良い。
・読み返しに便利
■では、そういった読書は何に役立つか?
・コミュニケーションする能力を高めることができる
→脈絡のある会話を可能にする
→相手の話の要点をつかみ、それを引き受け自分なりに切り返すということ。
・読書で「ここは後で大事になりそうだ」という感覚を会話にも生かす。
→常に脈絡を考えながら読書(会話)をする
・自然にできる話し言葉ではなく、人工的な書き言葉を意識することによって
より客観的な見方と、端的な表現ができる
・読んだことを具体的に人に話すことで記憶を定着。お互いに話し合えることは大切。
・全部読み通さなくてはならないという考えを捨てることで本との距離はぐっと近くなる