その13 そんなバカな!
柳田邦男の本に出てきた本を読む。
- 作者: 竹内久美子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1994/03/01
- メディア: 文庫
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「10円玉入れたよ」
「なら、あと3分話せるか」
「うん」
「と言っても、何話そう?」
「あたしね…、ペンギンの話が聞きたい」
あの時の僕には、失う物がたくさんあるような気がして
受話器越しの彼女の声が震えていたことに、まだ気づいてはやれなかった
ああああ(涙)
その昔、高校教師で桜井幸子が真田広之にせがんで話してもらった
ドーキンスの「利己的な遺伝子」をもとに
「動物だけじゃなく人間もだぞ」とその考えを語る。
「利己的な遺伝子」とは動物の行動の全ては
「自分の遺伝子をより多く残すため」であり、
生物は遺伝子が乗っている乗り物にすぎない
という考え方。
利用してたつもりが利用されてた、って感じですかね。
たとえばイヌワシは一回の繁殖で2個の卵を時間差で産み、
1羽がある程度育つと上の子に下の子殺しを実行させる。
2羽とも育つことは難しいから確実な1羽のみとして遺伝子のコピーを残す。
個体としては死ぬ下の子もその遺伝子の1/2は確実に残せる、てなぐあい。
一見不自然でも、遺伝子という観点から見れば納得できる。
もちろん動物だけじゃなくて人間の行動も全てこの考えで説明できる、という。
親が子どもを怒るのは子どものためじゃなく自分のためとか
喘息になる子どもは親に注目させるためとか。
さらには神(宗教)がいることや核による武装がかえって争いを回避する
といったことも説明できるよ、と。
もちろん視点が遺伝子と進化だけなので
実際はそんな簡単なものではないだろうけど
物の見方としては面白いとおもう。
自分が生き延び、生殖を行わないと人は遺伝子をコピーできないので
快楽を発生させ、その行為を進んで行うように遺伝子が設計されているとも
見ることができる(食欲・睡眠欲・性欲等々)。
(逆にそういう遺伝子のあるものが生き残ったともいえる)
さすれば快楽が遺伝子の命令の証のような気がしてしょうがない。
おいらも確実に操作されてる。。
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突き詰めれば人間、わがまま以外ありようがない、
って常々考えている自分大好きなぼくはこの「利己的な遺伝子」
という考えがとても好きだ。
今の社会でわかりやすいわがままをさらして生きていくのが
必ずしも一番合理的とは限らないわけで
群れで生きてたり、法治国家で生きてたり、親として生きてたり
全てひっくるめたいまの環境で一番わがままを通しやすいように
僕らは行動してるんだと思う。
あーなんか冷めすぎですかね。
迎合的で腹黒い感じですけど
でもこれって本質だとおもうわけで。
心はそんなヒドイこと考えていないけど遺伝子が勝手にやってる、
と思えばとりあえず安心できるものこれまた遺伝子の仕業か。
もっともっといろんな例やいろんな考え方による援用がでてくるので
興味のあるひとはぜひ。
あ、ライフカードのCMの「どれにしよっか」ていうの好きです。
桜井幸子つながりで。