その16  JAL123


その日はうちのオヤジが2週間に一度単身赴任先の東京から帰ってくる日で
おいらはクイズ100人に聞きましたを見てた。


するとニュース速報のテロップがでた。
(羽田発大阪行JAL123便行方不明)
て言うような内容だったと思う。
1,2,3並んでる!って考える小学生のおいら。


オヤジは新幹線か飛行機か半々で帰ってくる。
おかんがじっとNHKの搭乗者名簿の速報を見てた。


事情のまったくわからんおいらは掃除機にまたがって一緒にテレビを見て
「なんでみんな名前がカタカナなんやろう?」
て考える。


数時間後にオヤジはいつもどおりうちに帰ってくる。



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ほんとは去年のある時期に見たネット上のフラッシュとTBSの墜落20回忌ドラマで衝撃を
受けた時にこのタイトルで書こうと思った。


でも。
なんかこういうことを書くと
「うちは助かったから良かった」
って思われるといややなーとおもってなかなかブログには書けなかった。




最近、TBSドラマの原作をよんでやっぱ書こうと思った。


隠された証言―JAL123便墜落事故

隠された証言―JAL123便墜落事故



当時日本航空パイロットで組合の安全活動を行ってきた著者は
航空事故調査委員会の出した事故調査報告書で示された「原因」が
運輸省内部告発者によって表出した非公開の
生存者の証言や種々の状況と矛盾していると指摘する。


そしてその「原因」がある権力筋や企業に対し「いいような」ものとなっている可能性があるといい
こういった調査体制自体のあり方を問うている。




墜落原因の諸説、事故調査報告書の是非、いろいろあるみたいやけど
それらはなくなった人とその残された人のことを思っての結論付けなんかな?


て思う。


ボイスレコーダーで機長が副操縦士と機関士に言った「がんばれ」って声を心から聞けるんかな?


て思う。


この本が真実だとは言い切れないし、結局真実なんてわからないだろうけど。
ただそれを追い求めている著者の姿勢が大事なものに思えた。


事故自体は忘れても、忘れてはならんのはその姿勢だと思う。