あたるも八卦


去年の6月からはじまった住宅のリフォーム計画が
ほぼ確定しかけた矢先、いきなりお施主さんから待ったがかかった。


長い時間、話し合ってできたものをざっくりと変えたいとのこと。


話を聞くと家相占いに見てもらうと水回りのある方角が悪いといわれたらしい。


だんなさんは今のプランが気に入っていて占いなんて信じない派。
奥さんは占い信仰派。
二人はケンカを始めて、関係ない家庭問題という燃料も投下され、
こりゃもう決まるもんも決まらない状態。


占いの条件を満たすように修正すると天井は低くなるわ、採光は悪くなるわで
いいこと無しということと、だんなさんを立てるということで
結局はほぼ元通りの案でいけたけども、
なんちゅうか、この家相占いというもの。


いろいろ見てみると家相(風水)というのは
・ゲンかつぎや古代中国の迷信
・いわゆる生活の知恵、経験則

に分けて考えることができるとか。


たとえば南西の方角に台所はダメというのは
西日によって食べ物が腐るからという経験則から。
これは検討に値する。


今では建築設備で解消できることもここに含まれる。
(鏡は東か南向きが良い→今では照明を付けることで解消)



これが北東の方角にトイレがダメというのになれば迷信らしい。
陰陽五行説で北東は「土」なので「水」があわないというもの。



ただ、長い歴史の中でいろいろな解釈が発生して、北東のトイレの位置は
寒い部屋になるのでキバったときに体に負担がかかるという経験則的な考え方も
あるという。どちらにしても決定打にはほど遠い。




結局のところ、完全な迷信は別として個々に変わる条件(通風、採光、生活のクセ)を
ふまえた上で、経験則を生かすことは必要で、合理性がないものは説得できる範囲で
排除すればよりいいものに近づくんだろう。
(説得できないのであれば仕事を断るという判断も含めて。)


鬼門に玄関がかぶったら病人が出るので、玄関を20cm動かそうとか
そんなもんはナンセンス。
なんとかの泉の人とか、大殺界の人とかとおんなじ。
疑似科学以下。


設計には合理的なプランとそれでも占いを信じる人を安心させる為の説得力がいりますな。
それから今回は嫁姑問題なんかの家庭内の葛藤を交通整理して
納得できるように導くこともためされた。
これはこれで面白かった。



関係者の皆様、理論武装は必要です。
家相風水を科学する